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APHでアサとアルだよ!
小説だよ!
追記からだよ!
(それはとある世界会議が倫敦で催される前の日だった。
一年の大半が霧に閉ざされている倫敦の都は、この頃毎日の様に雨が降っていた)
俺の家で会議があるとき、アルが俺の家に泊まって会議に臨む事はよくあった(逆もまた然りだ)。その時も、例に漏れずアルは俺の家に泊まりに来ていた。
その日の午後、俺はアルに「外に出かけてみないか」と提案した。
連日の雨模様でいつにも増して湿気が多いこの日に、普段この様な気候に慣れていないアルなら億劫がって断られてしまうのではないかと思ったが、俺の予想とは裏腹に、あっけらかんとした様子で「OK.(いいよ)」と了承してくれた。もしかしたら、ずっと部屋に籠りっきりで退屈していたのかもしれない。相変わらず、腰の落ち着かない子供だと思った。
とりあえず、二人とも小腹が空いていた事もあって、俺とアルは近くのカフェテリアに向かうことにした。レストランにしようかとも思ったが、正直言って自国の料理に関しては胸を張って他人に勧められるものはない(恥ずかしい話だが)。せめてカフェならアルも満足するかもしれないと考えた。
身支度を整えて、家を出る。雨に降られないように、傘を差す。だが、生憎のところ傘は一本しかなかった。自然、二人でくっついて傘に入る形になるのは確かだ。俺は思わずどきりとしたが、アルは意にも介さぬ様子だったので俺もそのまま黙って出かけることにした。
傘は俺が持った。俺はアルより背が低いため、傘を持つ手が少々疲れる。最初、アルはそんな俺を気遣ったのか(或いは煩わしかったのか)、代わりに傘を持とうとしていたが、俺は紳士の国の名に恥じぬよう、努めてgentlyに振る舞った(時折、傘を傾けてやったりした)。
(未だに雨は降り続いている。差した傘にばらばらと雨の粒が当たる音が二人の耳に響いた)
上品で清潔感のあるカフェだった。
アルをここに連れてくるのは初めてだった。アルは、ぐるりと店内を見回して、満足そうに頷いた。
「いい店だね」
アルがひとしきり感動したところで、俺は席につくことを勧めた。
「せっかくだからあそこにしようよ」
アルが指差したところは、窓の外に見えるオープンテラスだった。
寒くはないか、と訊ねたがアルは「大丈夫だよ」と言ったので、俺達はそのオープンテラスの一角に腰を下ろすことにした。
アルは、ぼんやりと何気なく外の風景を眺めていた。相変わらず雨は降り続いていて、薄く通りを湿らせているのがわかった。
「アル」
俺は、いかにもうわの空といった様子のアルに呼びかけた。
「何を見てるんだ」
「雨をさ」
ぼんやりと、しかしはっきりとアルは答えた。
「雨を?」
「うん、雨を見ている」
「面白いのか?」
「いいや」
ゆるゆると首を振ってアルはそう言った。
「何か頼むか」
「そうだね」
アルは、テーブルの上に置いてあるメニューに目を向けた。俺も一緒になってメニューを見る。
俺はアルに訊いた。
「紅茶…いや、コーヒーでいいか?」
「紅茶にするよ」
「いいのか?」
「うん」
珍しいこともあるな、と思った。普段アルは紅茶よりもコーヒーを好んでいるのに、と。
とりあえず、俺はカフェの店員を呼びつけて注文をした。
紅茶は二つ。ストレートティーとミルクティーだった。
テーブルの上には、湯気を立ち上らせた二つのティーカップが並べられた。
俺は、その内の一つに手を伸ばす。俺が頼んだのはストレートティーの方だった。
アルはというと、さきほど別に頼んだスイーツの方に手をつけている。紅茶の方は手つかずだ。
「熱いのは苦手なんだ」アルはそう言った。
なるほど、確かにアルは子供の頃から熱い飲み物やらは苦手だった気がする。こういうところはいくら身体が大きくなっても変わらないままなのだな、と思って俺は思わず噴き出した。
「何が可笑しいんだい」
「いやなんでも、」
咳き込んだら、こふっと変な音が出た。
「お前、変わらないな」
「…うん?」
「なんでもないって」
「…そうかい、」
からかわれたのが気に食わなかったのか、アルは釈然としない表情で再びスイーツに手をつけた。
居心地が悪いのか、どこか落ち着かない様子で、アルは偶に俺を見る。頬にはうっすらと朱が差し
いる。手に持ったスプーンは偶に所在無げに宙を描く。
それらの仕草の多くは、俺がアルと過ごした日々を彷彿とさせた。憶えのある懐かしさに、頬が緩むのを抑えきれない。
にやにやと、あまり人好きのしない笑みを浮かべている俺に、アルは「気持ち悪いよ」と一蹴してみせた。
(辺りに打ちつける雨音の響きは次第に弱まっていった。倫敦の空は、雲の隙間から鮮やかな青色を
覗かせている)
「飲まないのか?」
「飲むよ」
アルはミルクティーのティーカップを仰いだ。口に含んだ紅茶が小さく喉を嚥下するのが分かった。
「美味い」
「そうか」
「俺はコーヒーの方が好きだけどね」
「そうか」
アルは、昔のいざこざもあってか紅茶よりもコーヒーの方をよく好む。紅茶は好きでも嫌いでもないようだ。
アル自身は紅茶は嫌いだと言うが、どちらかと言うと好きな部類に入るように見える。
「美味いよ」
「聞いた」
「美味いよ」
何度も何度も同じ言葉を繰り返すアルに、俺は段々と煩わしさを感じていた。
釈然としない心持ちでストレートのティーカップを仰ぐ。
ここで、先程のアルも同じ心持ちであったのかと思う。もちろん、自分には決してそのような心持ちをさせるつもりはなかったのだが、少しばかりの反省は感じていた。
「…聞いた」
「そうかい。でも、」
「うん?」
「でも、君の淹れた紅茶が一番好きだよ。
昔から好きだった」
がちゃん、と大きな音がした。
俺がうっかりティーカップをソーサーに勢い良くぶつけた音だった。
「何やってるんだい」
「あ、ある、」
「紅茶、冷めるぞ」
ぎこちない手付きでティーカップを持ちなおす。指がまるで固まったようで上手く動いていない。
どうやら俺は緊張しているらしかった。手が妙にしっとりとしている。特に手汗が酷かった。
(いつの間にか、雨は止んでいた。年中曇りがちな倫敦の空には、澄み渡る青空が広がっていた)
ある昼下がりのカフェでの話
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支離滅裂オワタ\(^O^)/
倫敦の空模様もアーサーの気分次第、ということを伝えたかったんですけど。
ていうか、よく考えたらアーサーの名前いっこも出てないですね、アーサーとアルのお話だよってわかるのかどうかわからんぞどきどき
小説慣れてないんで、難し…!
アサとアルの二人大好きです!主にアサアル的な意味で(ぉ
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